残念ながら、家に鯉のぼり、ありませんでした。
僕の子供の時、両親はひどく仲が悪かったそうでお祝い金を何かに使ってしまったそうです。
公務員の家庭でしたが、両親に何があったのか不明です。
母の口癖は「おまえがいなけりゃねぇ」でした。本当にひどいな(笑)
これは最近書き始めた黒板ですが、題材が重かったかなぁと反省。
でも事実だから仕方ないじゃんと思います。
本当に鯉のぼりほしかったのです。屋根より高いすごいの。
だって鯉のぼりって家族の象徴じゃないですか。
子供同士というのは残酷で、両親にいかに大切にして貰っているか自慢します。
友人の家に飾ってある重厚なヨロイ見てショックだったのを覚えています。
当時の生活は、、
平日は夜遅くまで母の車の番として乗せられ、休日は母方の家に預けられます。
家族旅行に行ったとか、友人の話を聞いていると本当に暗く情けなくなりました。
そんな時、週末に祖父は良く本を買ってくれました。
鯉のぼりが欲しいという幼稚園年長の僕に飛行機の本、宇宙の本を買ってくれたのです。
当時、夢中になったのが超音速旅客機、コンコルド。
マッハ2で大西洋を4時間ぐらいで飛んでしまうのです。
鯉のぼりなんかより凄くないですか?
ボイジャー一号は秒速15Km たぶん人類史上最速です!
確実に、人類はとてつもない進歩をしていて、とんでもない未来へ向かっている
1970年代後半はそんな希望に溢れていたのです。
僕は本に書いてあるチャレンジを見て本当に感動していたのです。
なんで、太陽の温度って解るの?
なんで、宇宙の広さって解るの?
飛行機はどうして飛ぶ?
祖父は大きな夢を与えてくれたのです。
今でも宇宙の本は大切にとってあります。なんと娘の本棚に移動していました。
僕は本を手に取って、祖父の優しさを思い出しました。
鯉のぼりや鎧兜は簡単に買う事ができたはずです。
でも祖父は僕に毎週買ってくれたのは「夢」がある本でした。決して勉強のための本では無く。
きっと学び、自ら好奇心を満たし、世界を楽しめるように毎週買ってくれたと思います。
今でも、友人は本の中にいます。
よく考えると僕は最高に豊かだったのかもしれませんね。
祖父の思いを受け継ぎ、娘に知的財産を残せるように。
教育に向き合ってなかったなぁと深く反省。
そして自分の知的活動を自分自身できていなかったと反省しました。
そうそう、その頃の自分の夢は本を書く人になる事でした。
今こうして文章を書いて表現できるのは非常にありがたい事かもしれません。